手軽なストレス発散は音楽による癒し効果

音楽がストレス発散に効果を発揮する1つ目の理由は、音楽が心拍や血圧、血流の酸素量といった身体機能に影響を及ぼすからです。ゆっくりとした、おだやかな音楽を聴くと、心臓の鼓動もゆっくりになるのです。一方、アップテンポの音楽を聴くと、心臓の鼓動も早くなり、心拍や血圧も上昇します。また、癒しの音楽が筋肉の緊張を和らげることもわかっています。癒しの音楽を聴くことで筋肉の緊張が和らぎ、体のこわばりがほぐれてストレス発散につながるのです。

音楽がストレス発散に効果を発揮する2つ目の理由は、癒しの音楽が脳内のエンドルフィンを増大させるからです。エンドルフィンとは、自然の鎮痛剤とも呼ばれている脳内物質の一種です。モルヒネと同じような作用をするので、脳内麻薬と呼ばれることもあります。この物質が分泌されると気分が高揚したり、幸福感を得ることができます。
例えば、マラソン選手の疲労や苦痛が最大限に達した後に、不思議と快感や陶酔感が得られるランナーズ・ハイという現象があります。これもエンドルフィンが分泌された結果なのです。このエンドルフィンは、美味しいものを食べたときや好きな人と話したときなどにも沢山分泌される他、癒しの音楽を聴くことによっても分泌されることが分かっています。癒しの音楽を聴くことで、鎮痛作用のあるエンドルフィンが増大しストレス発散につながるのです。

音楽がストレス発散に効果を発揮する3つめの理由は、癒しの音楽には、1/fゆらぎというものがあるためです。小川のせせらぎやそよ風、人体のリズムなどは、すべてこの1/fゆらぎと呼ばれる微妙なゆらぎを持っています。これはメトロノームの音とラジオの雑音の中間にあたり、規則正しさと不規則性が調和し聞く者を心地よくさせる効果があるのです。モーツァルトの音楽などには、この1/fゆらぎが含まれており、この微妙なゆらぎが心身のストレス発散につながるのです。